津軽の言葉で”おいしい”は「め」。 ”甘い”も”おいしい”と同じ言葉で「め」としゃべる。
2023/08/08
そもそもの始まりは、この30年の間に世界中でさまざまなものが
標準化されつつあるという現象を目の当たりにしてきたことからでした。
私が高校生だった30年以上前、電車の旅で耳にした津軽の人々の言葉は、
同じ日本であっても言葉が通じない未知の世界そのものでした。
あの人たちは同じように暮らしているのでしょうか。
そうであってほしいと願いを込め
電車に乗って旅に出ることにしました。
訪れた場所は青森県弘前市の『津軽あかつきの会』。
地域の伝統食を日々の活動の中で伝えている女性たちの集まりです。
この会の場所は、レストランや商業施設ではなく、リンゴの果樹園の脇にある
暖かみのある自宅で行われています。
この会の場所は、レストランや商業施設ではなく、リンゴの果樹園の脇にある
暖かみのある自宅で行われています。
玄関を開けると
『良ぐきでけだなー』
とにこやかな笑顔でおばちゃんたちが出迎えてくれました。
『津軽の言葉で”おいしい”は「め」。
”あめ(甘い)”も”おいしい”と同ず言葉で「め」としゃべるんだよ。
”あめ(甘い)”も”おいしい”と同ず言葉で「め」としゃべるんだよ。
津軽のお料理は、油もさどっこ(砂糖)もほとんど使わね。昔は手さ入らね。』
そう語りながら、食卓の上にいっぱいお料理を並べてくれました。
彼女たちはこの活動を『伝承料理』と呼んでいます。
この素晴らしいお料理は一人1,500円。(内容によって価格は異なるようです)
おばちゃんの麦茶付き。
この素晴らしいお料理は一人1,500円。(内容によって価格は異なるようです)
おばちゃんの麦茶付き。
一皿一皿から、津軽の風土と人々の暮らしの深い哲学を感じ取ることができます。
先人たちの地域の食や生活の知恵を理解し次世代に伝えるためのお料理、
今日は少しご紹介。
今日は少しご紹介。
■30cm以上ある長い大鰐温泉もやし
青森の温泉の町「大鰐」の伝統野菜「大鰐温泉もやし」。
温泉の地熱を利用し一般的な水を一切使わず、温泉水だけで育てます。雪に閉ざされるこの地域では、地熱で育つ温泉もやしは貴重な食料でした。
(写真ご提供 青森のうまいものたち
※大鰐温泉のもやしを青森以外で購入する方法も記載されています。
地熱を使って”大鰐温泉もやし”を作る様子 | 青森のうまいものたち (umai-aomori.jp))
この独特の方法により、「大鰐温泉もやし」は土の香りがほのかに含まれます。
また温泉もやしならではのしゃきしゃき という食感を楽しめます。
■もやしのひげ根は1本ずつ丁寧に手作業で取り、捨てずに素揚げにしていただきます。
■「新じゃがとササゲの味噌汁」
津軽の味噌の仕込みは1月の終わりから2月にかけて一番寒い時期に仕込みをします。
寒い時期の仕込みは味噌に余分な菌が入りにくいこと。農作業のお休み期間に作ることで冬場の仕事を生み出す役割。二つのメリットを持っています。
寒冷な地域なので熟成はゆっくり。平均3年ほど熟成させます。あかつきの会さんの味噌は2年熟成させたもをの使っています。ほんのり辛口で後味がさっぱりしています。
■「ミズ水煮」
味噌汁の横の鮮やかな緑色のフキのような小鉢は「ミズ」という夏場に収穫される山菜。
味噌汁の横の鮮やかな緑色のフキのような小鉢は「ミズ」という夏場に収穫される山菜。
その名の通り、茎は水分が多くて柔らかい。くせもあくもありません。 うまみを補うため、冷たい昆布の塩水に浸して召し上がります。
清涼感のある一皿。
■「きゅうりとおばけの和え物(きゅうりの上に載っている黄色くモヤモヤ
したもの)」

鯨
の尾羽が『おばけ』に見えることから 津軽ではこう呼ばれています。

塩漬けにして長期保存が効くことから海から離れた里山で手に入れられらる貴重な海産物でした。
■「ニシンの飯寿し」
ニシンと餅米、野菜を米麹に漬けて、低温で2-3か月かけて乳酸発酵させて作るお寿司。
お正月など特別な日に並びます。
お正月など特別な日に並びます。
北東北から北海道で作られる、このお寿司の特徴は、地域によって作り方が微妙に異なること。
津軽では漬けこんだ餅米は食べず、魚の実だけを食べるという、地域の独特の文化が反映されています。
津軽あかつきの会●要予約
〒036-8124 青森県弘前市石川家岸44-13
義塾高校前駅出口から徒歩約15分
電話番号 | 090-7665-8468 |
---|---|
営業時間 | 木~日 11:30~14:00 |
HP | https://tsugaruakatsuki.wixsite.com/tsugaru-akatsuki (外部サイト) |
カテゴリ | 郷土料理 |
ランチ予算 | ~2000円 |
ディナー予算 | 営業時間外 |
定休日 | 月曜日,火曜日,水曜日 |