リタ・ゴーン先生のお料理教室2
ドアを開けるとまず目に入るのはレバノンのかわいい雑貨達。日本ではまだ本格的な中東ブーム(一時期服装ではあったけれど)が起きていないので、色合いも形も
どれもとても新鮮に写る。
店の中では優男風のシャディと屈強なイメージのジョン(ごめん名前わすれた)がせわしなく働いている。
メインテーブルを複数ジョイントさせて作られた巨大なテーブルの脇にイスが並べられ、座りながら説明を聞けるよう配慮されていた。
今回のお料理は、ひよこ豆をにんにくと一緒にペースト化した「フムス」、中東独特のすっぱいスパイスの入ったひき肉のピザ「アライース」、ターメリック、カルダモン、パプリカ他で炊き込んでいく「ライス ウィズ ミンチドミート アンド チキンナッツ」、伝統的なお菓子「バクロワ」といったとてもポピュラーなお料理達。
どれくらいポピュラーかというと日本で言う豚汁くらい有名なお料理だ。
「レバノンのお料理はとても時間がかかるの」
クラスがはじまると、みんな我も我もと前につめかけリタさんとの間にとても密接な空気が流れはじめた。
テーブルではリタさんがお料理を説明し作り、シャディ&ジョンが代わる代わるアシスタントをする。
「スマック。中東ではとてもポピュラーなスパイスなの」
そうリタさんが説明をすると、さっと二人がスパイスをお皿に持ってみんなに回してくれる。お皿に盛られた赤いスパイスを指にとってなめてみるとすっぱくてちょっぴり花の香りがした。
中東料理にはかかせない そして日本ではあまり手に入らない珍しいスパイスなんだそうだ。
「ザータ。これも中東でとてもポピュラーなミックススパイスでゴマ、オレガノ、スマックが混ぜられているの。レバノンの朝食は、このザータをサンドイッチにしたりフランスパンにオリーブ油とザータをかけて食べたりするの。消化にいいから朝たべるといいのよ」
随所随所にレバノンの食文化のストーリーをたっぷりと聞かせてくれる。
ザータ。ミルナが日本にいた頃、日本で手に入らないからとこのザータをシリアから取り寄せ「とても美味しいからフランスパンとオリーブオイルで食べてみて」といってもらったことがある。あまりにも美味しくて100gくらいあったスパイスをほぼ食べきってしまった。こんなところで再会できるなんて!なんだかとても嬉しくなった。
しばらくするとカルダモン入りのコーヒーがまわってきた。「これもレバノンでは良く飲むのよ」
独特の甘くスっとした香りが鼻に漂う。
インドではカルダモンは紅茶に入れるけれど場所が変わればコーヒーにいれるらしい。カルダモンとコーヒー豆をグラインダーで粉末にして、そこに湯をそそぐ。これも胃にいいんだそうだ。
「なんか行き届いてるよね」
ところどころでそんな感嘆の声が上がる。
ちょうどおなかがすきかけた頃、コーヒーとこの日のメニュー パリパリに焼けたちょっぴりすっぱい中東のピザをすっと出でくる。
「あ~幸せって感じ」
「さすがリタさんのレストラン!」
そういってみんなで頬をゆるめながらパクパクと食らいついた。
こうして終了までの4.5時間。たっぷりとレバノンシャワーをあびて体も胃も大満足。
リタさんは優しくて気さくなママだった。
包丁で指を切ったら、心配してなぐさめてくれたり、一緒に写真をとってくれたり。
でもこの日は度重なる疲労で腰をいため、コルセットをまいてクラスをしてくれたんだそうだ。
「約束をしたから」
そう彼女は一番最後に話をしてくれた。
今回リタさんの貴重なお話をみんなで共有できるよう、会がはじまると同時にIOさんが自然とみんなのコンセントをしてくれていました。それによりレバノン知識をものすごく深くまで知ることが出来ました。本当にどうもありがとうございました。